シロバナホトトギスの勢いが衰えを見せる頃、キバナノホトトギスが盛りを迎える。
咲き揃った黄花を目の当たりにして、キイジョウロウホトトギスは刺すような視線を黄花に向ける。
「まぁ、見てらっしゃい。ワタシの開花が始まれば黄花さんに負けないほどの艶やかさに皆さん驚くことでしょうよ。」
――な~んて上臈さんは仰るが、花と花とが妍を競うその姿こそ、長閑な秋の一日を象徴する光景なのである。
キイジョウロウホトトギスは、「紀伊上臈杜鵑」と表記する。日本大百科全書(ニッポニカ)によると、「上﨟(じょうろう)(女官)の意と、花被片の斑点をホトトギスの胸の斑点に見立てることによった。」とある。冒頭の「紀伊」は、原産地が紀伊半島であることによるのだろう。
上臈を「女官」と解しているが、この意味するところは「上位に着座すべき官位の高い人」、「身分の高貴な人」、「格式の高い家の女性。貴婦人」、「江戸時代、幕府大奥の職名の一つ」等々と、多岐にわたる。まぁ、ことほど左様に、この草本は紀伊の国に産する優美な花姿を有するホトトギスであるとのことのようだ。
このホトトギスは2023年8月に苗を入手したもので、今年で3年目となる。一般的に、ホトトギスは半日陰から日陰の涼しい環境を好む。このキイジョウロウホトトギスも例外ではない。注意しているつもりだが、今年の陽射しは酷に過ぎた。かなり葉が焼けたが、昨年より数多くの花を付けてくれた。
とはいえ、地球温暖化現象はとどまることを知らない。さて、来年はどうなるであろうか?
P .S.
実は、ちょっと気になることがある。葉の形状だ。入手先のHPには確かに「キイジョウロウホトトギス」のネームがあり、交信したメールにもそうあった。ただ、紀伊はもっと葉が細長いような気がするのだが・・・・・・。う~んっ、ちょっと微妙だな~。





